木場のお祭り --- 2002年9月9日
 


 木場の材木問屋は血縁関係(どこそこのお店はあそこのお店の出とか、のれん分けとは違います。それも非常に多いのですがホントの血のつながりです。まぁ材木屋が数百軒も集まればそういう風になりますよね。)がわりと多いのですが、よく寄り合いがあって、先日あった深川の八幡様のお祭りの話が出ました。

 八幡様のお祭りは東京でも有名なお祭りで江戸三大祭の一つです。(神田祭、山王祭、それに深川富岡八幡祭(最近では三社祭が八幡様の代わりに言われますが、本来は八幡様です。))俗に「水かけまつり」なんて呼ばれたりもします。夏のめちゃくちゃ暑い時にお神輿をかつぐので、桶に入れた水をざぶざぶかけたり消火栓から消防団の人達がおもいっきり放水したりもします。とにかく暑さと熱さで盛り上がります。3年に一度のお祭りなのでお神輿は江東区から中央区にかけて総勢56基。特に宮元のお神輿は歩道橋の下をくぐれない程の大きさなので,神輿蔵の中でお休みになっています。また最後尾を勤める深濱のお神輿もやはり大きすぎて、旧区役所通り等を通れないので大通りのみのかつぎになります。とにかく威勢のイイお祭りで、警備のパトカーをけっとばして壊したとか、そんな話を良く聞きました。あの一体感は八幡様ならではでしょうね。半纏は町内の祭半纏のみで他所の半纏ではかつがせないし、もちろん裸は禁止。声も『わっしょい♪』でまかりまちがって『セイヤッ!』なんて言ったら殺されますね。町内ごとにまとまっていて、とても綺麗です。

新木場 吉田商店


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のうがき
材木は曲がる反るクサル。生き物だったから。
コピーペーストできない。同じ物がないから。
ダカラ ヲモシロイ。

 その中のお神輿で「中木場」「下木場」というお神輿があるのですが、本来そのような町名があった訳では無いそうです。名前の由来ですが「中木場」「下木場」は材木屋の旦那衆が出入りの川並(かわなみ:筏を纏めたりばらしたりして、河川を利用して目的の製材工場に丸太を運ぶ仕事をする人)達に、お金は出すが口を出さないという事で任せて、祭をまとめさせたという話でした。その川並の組の集まりからきている様です。

 ところが最近では地元の木場に住む材木屋の旦那が少なくなった事と、オフィスビルや新しいマンションが沢山建ち、マンションの人達が町内にとけ込めず、人と人とのつながりが希薄になりつつあるようです。もちろん大店の旦那はいらっしゃいます。何も言わず大金をポンと寄付してくれたりもありますが、ホントに少なくなってしまいました。川並の人達も地元に住む人が少なくなって寄付をお願いにあがるのも実は木場の人では無いと言う事があります。木場のお神輿に限らず、どこのお祭りでも人がいなくなったと言う事は結構問題になっています。でも、旦那衆や川並が地元にいなくなっても、その心意気を受け継ぎ伝統を守っているお祭はステキです。仲町の交差点で地方から見物に来ていたおじいさんの言葉が心に残りました。
「ここの担ぎ手は美しい・・・」
なんかとても嬉しくなりました。

omikoshi

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