●材木の値段の計算方法 木材の材積計算のいろいろ:立方メートル:石計算:ボードメジャー
--- 2004年5月13日 読みやすくするため一部加筆しました。--- 2021年7月9日
材木の計算の仕方。
普通材木は1本1本値札を付けて売る事は稀です。銘木の様にそれぞれの木の個性を見ながらその価値に値段を付ける場合は別です。 材木は家を建てるとき、その家の設計や土地の大きさによって部材がいろいろ変わります。同じ樹種でも和室や洋間では長さや厚さも様々です。それぞれに値札を付けていたらそれこそ数億通りになってしまいます。ですので、通常木材の単価は立方メートルあたりいくらで値段を付けます。そしてそれぞれの寸法の材料に対して計算して値段を導き出します。これはお肉屋さんで肉を買うのと同じで、お肉屋さんならグラム当たりいくらで販売するのと同じです。
材木は通常、材積(体積)×立方メートル単価で1本の値段が決まります。
例1)『単材積』の計算:1本や1枚の値段の出し方
たとえば1本や1枚のバラだしで販売されている物の場合 長さ3,000mm幅45mm厚さ36mmなら 材積は3×0.045×0.036=0.00486 立方メートル単価で計算する木材の材積は下4桁までとするのが慣例ですので、下5桁で四捨五入で0.0049立方メートルです。これに立方メートル単価が10万円なら 0.0049×100,000=490で1本あたり¥490となります。
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電卓で計算する場合、『3×0.045×0.036=』なんてキーボードをたたくと桁数が多くなって時間が掛かって仕方ありません。そこでまず電卓の機能で小数点以下の桁数を『0桁』にして下1桁目を四捨五入に設定します。 3(m)×4.5(cm)×3.6(cm)=と桁数をはしょってボタンを押します。答えは『49』材積は0.0049の事です。手書きの伝票の頃は材積欄に『49』と書いても材木屋どおしの商いのやり取りではこれが普通でした。これに単価10(万円)を掛ければ49×10=490円となります。 アイテムがひとつだけなら0.0045×0.0036なんてゼロをたくさん打ってもたいした事は無いですが、数十アイテムもあるとこんな事はしてられませんので上記の様な電卓の使い方になります。
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ところが。。。 話がややこしくなるのですが、 羽柄材既製品の結束物だと1束あたりの材積をだして立方メートル単価掛けます。
例2)『羽柄』の計算:テープなどで結束されている材木の1束あたりの計算の仕方
たとえばテープ等で結束されている 長さ3,000mm幅45mm厚さ36mm 1束 9本入り なら 材積は3×0.045×0.036×9=0.04374 上に述べた様に木材は下5桁で四捨五入で0.0437 仮に立方メートル単価が10万円なら 0.0437×100,000=4,370で1束あたり¥4,370となります。
例1)の場合は1本の材積から単価を掛けるので単材積の計算方法で、例2)の場合は1束の材積から単価を掛けるので羽柄の計算方法となります。羽柄の計算方法を単材積の計算方法になおすと小数点以下の四捨五入により数字が異なる場合があります。 しかし、羽柄材(結束もの)では単材積の計算は行いません。
さらに。。。 もっとややこしくなりますが。。。 総材積の計算方法があります。 全ての材積を出してから最後に立方メートル単価を掛けます。
例3)『総材積』の計算:ひとつのアイテムごとの金額の計算
ひとつのアイテムがたとえば 長さ3,000mm幅45mm厚さ36mm 99本だと 材積は3×0.045×0.036×99=0.48114 上に述べた様に木材は下5桁で四捨五入で0.4811で仮に立方メートル単価が10万円なら 0.4811×100,000=48,110で総金額¥48,110になります。
これを単材積の金額だと1本あたり¥490で99本だと総額¥48,510- 羽柄計算で9入り11束だと1束あたり¥4,370×11で総額¥48,070- 以上の材積の計算で小数点以下、下5桁の四捨五入により金額にズレが生じます。
総材積で計算するのは今では少数派です。最近では1本物では単材積の計算方法、結束ものでは羽柄の計算方法を使うお店が多くなりました。個人のお客さまに立方メートル単価がいくら。。。とお話しても上記説明が必要なので総材積の計算をせず、単材積や羽柄を計算して1本単価や1束単価を出す様になってきました。
さらにさらにややこしいのが。。。 寸法の単位はmmだけではありません。。。。 日本古来の尺、寸、分、厘 アメリカではinch
尺貫法での材積の計算方法は 長さ10尺 幅1尺 厚さ1尺で1石になります。
例4)『石』計算 長さ10尺幅3寸5分厚さ1寸1分だと 材積は1×0.35×0.11=0.0385 尺貫法では慣習により下4桁目を四捨五入して下3桁で表しますので0.039(石) 石単価10万円なら1本3,900円です。 ちなみに1尺の長さは約303mmです。 1石は約0.278立方メートルです。
次にインチで表された物の材積はBM(FBM:foot board measureまたはfeet board measure)で表します。 BM=長さ(feet)×幅(feet)×厚さ(inch) 1feet=12inchです。
例5)『BM』計算 長さ10フィート幅12インチ厚さ2インチだと 材積は10(長さ)×(12÷12)(幅)×2(厚さ)=20(BM) 通常単価は立方メートル単価で言われるので立方メートルに直します。 その場合の係数は424で割ります。 20÷424=0.04716981(立方メートル) 前述した通り、立方メートルは下4桁で表すので、0.0472(立方メートル)となります。 なお、1inchは約25.4mmです。
インチ計算でややこしぃ。。。 よくある物で2×4(ツー・バイ・フォー)と言われる材料があります。 本来2インチ×4インチの材料の事ですが、計算すると厚さ50.8mm幅101.6mmのはずです。 だけど実寸は約40mm×90mm。。。 「なんだよ、小さいじゃん。。。話が違うよ、小さくなった分まけろよ。」って文句が聞こえてきそうです。 これは原板の寸法、約50mm×100mmの物を削ってあるので小さくなってるのです。また、人工乾燥をかけるとさらに縮みます。
まだまだあるぞややこしい。。。 材木は材積(=体積)だけでは無く面積で表す事もあります。 坪単価や平方メートル単価です。
例6)『平方メートル(平米)』計算 平方メートル単価の場合は下2桁で表します。 長さ2,700mm幅180mm厚さ15mmの板 6枚だと 2.7×0.18×6=2.916 下3桁を四捨五入して2.92平方メートルとなります。
例7)『坪』計算 坪の計算で1坪は6尺×6尺です。 長さ6尺幅5寸の板12枚で1坪になります。
他にも『丸太』の計算方法や平割りの『延べ巾』計算の仕方などなどややこしい事があります。 店ではパソコンの表計算を使ったり、見積書や伝票等はデータベースを構築しましたので計算方法など気にしなくてもよくなりましたが、ちょっとした計算はやっぱり電卓を使うので材木屋には計算方法は必修です。
上記説明は一般的な木材の計算方法ですので参考にとどめて下さるようお願い致します。吉田商店は、この記述使用によって発生した直接的、間接的な損害に対していかなる賠償も保証もいたしません。また商品性および特定の目的への適合性の保証はいたしかねます。
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