相場の流れ --- 2007年3月19日



木材相場の上げ基調が続いています。
要因はいろいろありますが、今後どういった動きをするのでしょう?

僕は経済学、統計学なんてさっぱり解らず、膨大なデータの見方、処理のしかたもわからないのですが、積み上げて来たデータを全体の流れとして「なにか見えて来そうなカナ?」程度の軽い気持ちで見て下さい。

以下のデータですが、
1)1993年5月から2007年3月までの約14年間の毎月、東京の問屋の相場の動き
2)縦軸は1993年5月を0として前月より相場が上がると+1、下がると-1の相対評価
3)横軸は1993年5月から2007年3月までの約14年間を1ヶ月ごとに区切りました。

注意が必要なのは縦軸が相対評価なので、10ポイント下がった後、10ポイント上がったとしても、必ずしも値(ね)が戻ったとは言えない事です。たとえば1000円の物がひと月に100円下がって翌月50円上げたとしても1ポイントマイナス、翌月1ポイントプラス。相対評価だと0に戻りますが、金額的にはマイナスです。

本来は一つのアイテムで、相対評価では無く、金額を基にデータをとらないと意味が無いのは解りますが、建築の場合は使うアイテムの流行り廃りがあるので、長い年月を同じアイテムで通す事が出来ず、データの連続性を重視する為相対評価にしました。
(たとえば北洋材のタルキ40mm×30mmというアイテムも、初めは国内挽きエゾ松から国内挽き赤松さらに現地挽き赤松へと評定の品目を変更、梁材に於いても米松のグリーン材からRW集成へと変更などなど。各評定品目にそれぞれ樹種または産地、加工形状(人工乾燥や削りの加工の有無)の変更があります。)

さて、評定の品目ですが、一般建築の構造材、羽柄材を評定しています。
(1)北洋材タルキ エゾ、アカマツ 4000mm×40mm×30mm
(2)米栂 割物 内地挽き4000mm×45mm×36mm
(3)米栂現地挽き柱、桁、ホワイトウッドKD間柱
(4)米松平角、RW集成梁
(5)桧構造材(柱、土台)
(6)杉構造材(柱、桁)
(7)杉羽柄材(貫)
(8)集成管柱
※なお(8)集成管柱は平成9年2月からの評定です。

総合評定は前述8品目中で上げ下げの差が2品目以上ある場合にポイントの変動があります。たとえば、(1)~(4)迄の4品目が相場の上げ、(5)~(7)迄の3品目が相場の下げ、(8)が保合という大荒れの場合でも各品目の差が1品目なので総合評定は保合となります。
ベニヤ類や役物の造作材及び建具材は参考資料としてのデータは1993年より蓄積してありますが評定しておりません。
ベニヤ類に関しては今年の1月より評定品目に加えてはありますが、評定データの蓄積が少ない為、以下のグラフには加えてはありません。(総合評定の中では今年1月から反映されています)

新木場 吉田商店


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のうがき
材木は曲がる反るクサル。生き物だったから。
コピーペーストできない。同じ物がないから。
ダカラ ヲモシロイ。
all

各品目を全部並べたのが上のグラフですが、ゴチャゴチャしてて解りづらいです。
以下各品目ごとに分けてみます。

sougou

比較しやすい様に総合評定と各アイテムを一つのグラフにして比較

hokuyou
tugawari
tugahon
beimatu
hinoki
sugi1
sugi2
syusei

こうやって並べて見てみると、1998年10月までは各アイテムの相場の動きはリンクしているように見えます。
それ以降については・・・
総合評定の動きに割合近い動きをするのが北洋材、米松平角。言い換えればこの二つのアイテムが総合評定の傾向になるかな?
細かい上げ下げの動きがあるのが栂本国挽き、集成管柱。相場の変動が荒っぽい感じですね。
栂割物の動きは変動幅が少ないですが、流れを見ると栂本国挽きをフラットにするとこんな感じになるのでは?素材が同じ栂なので当たり前と言えばそうなのですが、国内製材工場の努力で変動を小さく押さえているのでしょう。
桧構造材、杉羽柄材は独自路線ですね。っていうより、相場の動きが少なく安定しています。
杉構造材は2002年中頃までは総合評定と同じ動きですが、それ以降の動きに置いていかれ、安値で推移していますが、ここ数カ月の上げ基調が気になる所です。

2005年8月より上げ相場が続いていますが、これは需要が旺盛で価格が上がっている訳では無く、輸入材の供給が細り、無い物高の傾向だと思います。


これを御覧になったみなさんはどうお考えになるでしょう?
たいした意味のないグラフかもしれませんがコメントをお待ちしております。


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