素材の持ち味を活かすと言う事は日本の文化です
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 2002年5月7日

 



木材を使って何かを作るという事はなにも日本に限った事ではありません。世界各地ですばらしい美術品、楽器、民芸品がたくさんあります。

 しかし、同じ種類の木、製材の仕方でも、木目(杢目)に名前を付け、素材自体を美術品の様に扱うのは日本だけかもしれません。私は銘木は専門外ですが、例えば、板目に製材したものでも、ス杢、ササ杢、タマ杢、チヂミ杢などなど。。。柾目に挽いた板でも、ヌカ目だとか目通りが良いとか悪いとか。板目に挽いた場合、中杢(木目の芯を板の真中)にするとか、根杢(根っこの木目)をはずすとか。

 用途にもこだわります。例えば日本舞踊や能の舞台は、桧で八寸の板目の木裏を使うとか。これは伝統だからとか、そんな大雑把なものではなくてちゃんと機能的な理由があります。フローリングの床の様に細い板を目もかまわず釘でべたべたと留めていけばいいってもんじゃないんです。(しかし木曽桧の太い丸太が非常に少なくなっていますので、現状ではなかなか難しくなってきました。)

 木目を活かすという点で、欄間の彫刻などはすばらしいです。富山県井波の彫刻を一度御覧下さい。とても素晴らしい作品が数多くあります。(リンク:井波彫刻)木に自分の主張を押し付けるのではなく、素材の主張を取り入れて作品にしあげています。これはまぎれもなく日本の文化だとおもいます。

新木場 吉田商店


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材木は曲がる反るクサル。生き物だったから。
コピーペーストできない。同じ物がないから。
ダカラ ヲモシロイ。

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