地元の木を使うのが良い訳 --- 2001年11月4日
 

よく木材関係の団体や国が国産材の使用を呼び掛けています。

だけど、なんか保護主義的PRばっかりのような気がします。


 地元の木を使うのがなぜよいのでしょう?

 人間でも、生まれ育った場所はその人に合っているように(例えば、シベリアや、アフリカに住むより日本人は日本の方が住みやすいように。(遺伝的にも))木材でもそうです。

 まして天然木は、数百年と言う単位でそこで育ち、そこの風土、気候に順応しています。海外の木材で、シロアリに強いとか腐りずらいと云われてる木でも、その地域で強いのであって日本のシロアリには弱かったり、すぐに腐ってしまう物もあります。もちろん逆の場合もあります。ですので日本の気候には日本で育った木を使い、日本の建築方法で建てた方が家にとって一番良い物が出来るハズです。もっと細かく言うと日本の国産材という範囲でなく、ほんとうの地元、北海道、東北、関東、東海、中部、近畿、四国、中国、九州、沖縄。日本は南北に細長いので地方によって気候がずいぶんとちがいます。同じ桧や杉でも、産地によって、木味が違ってきます。ここでの地元とは近所の木のことです。木曽桧を扱っている挽き材屋さんなら知っている事ですが、木曽で切り倒した桧は、営林署の土場では干割れは来づらいのですが、山から下ろし木材の集散地の名古屋に持ってくると割れやすくなってしまいます。この事からもあくまで理想ですが木曽桧は木曽の山で使うのがいいですね。まぁ、そんな事は不可能ですので外国産の材木よりは国産材。遠くの地方の木よりは近県材。できれば庭に生えてる木。と言う事です。

 昔の話ですが、「娘が生まれたら庭に桐の木を植えて、嫁に行く時にタンスにして持たせる」なんて話を聞いた事があると思います。この話はそう言う観点からみれば理想的な家具です。家具はホコリや虫、カビ、夏や冬の湿度の違いから衣類を守らなくてはなりません。庭に生えている桐の木ならば、その地域の気候に順応しているでしょう。ただ単に桐は成長が早く、加工しやすく、湿度の調整機能があるだけで和箪笥の材料に最適として選ばれた訳ではないようです。

 話がずいぶんとそれてはしまいましたが、1本数百円の差なら外国産の柱を使うよりも国産の杉の柱を使った方が機能的にも付加価値があり、数百円以上に消費者に利益があると思います。

さらに。。。冒頭に述べた保護主義ではありませんが、国土の保全や林業家の保護を考えればさらに幾らか以上の国民の利益にはねかえって来ると思います。

新木場 吉田商店


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材木は曲がる反るクサル。生き物だったから。
コピーペーストできない。同じ物がないから。
ダカラ ヲモシロイ。

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