都のシンポジウムに参加して --- 2002年2月5日
 

2月2日に都庁でシンポジウムがありました。
参加しましたのでそれについて少し。


★★★


 以前imformationのページでお知らせした、東京都のシンポジウムです。定員150名募集と言う事でしたが、応募者が多く抽選をしたようです。会場にいってみると椅子が200以上も。こんなに人が集まるのか?ムリだろ?なんてたかをくくっていると、予想に反して満席。出席者は私のような個人の参加は少なく、ほとんどがボランティアやNPOの方々で、しかも一つの団体で席を占めるのではなく、代表者もしくは数人で来ていました。こんなにたくさんの森林ボランティアがあるのかと驚きました。

 さてタイトルの{都民とつくる東京の森「自然と森林を守る『大自然塾』」}。漠然としてなんのことやら良く分からなかったのですが、話を聞いている内にどうやらこれは東京都が『大自然塾』と言う物を作るらしいです。趣旨は
都民が森林作業、環境学習を通して自然を学び、心身を鍛え、東京の自然と森林を守るという事らしい。

 うーむ。りっぱな事だなぁ。ボーイスカウトでもやるのですか?などと思ってみたりもしました。

 東京における山の現状が、元森林組合の職員さんやボランティアグループの代表、NPOの方からスライドショーなどを使った報告がありました。予想通りかなり荒れている様子が伺えました。いや予想以上に重傷ですね。もちろん手の行き届いた森はあるのですが、放置された森の状態はひどく、木の根元は日が当らず暗闇で表土は流れて岩がむき出しになり根っこが浮き上がってしまい、もやしのような杉や桧は台風が来れば折れたり倒れてしまう様です。しかもそのような森が増えている状況にあるようです。
 日本の山は伐採や植林など一度人の手を入れると、次からは人の手をいれ続けなければならなくなります。植えたらほっとけば自然に戻るなんて事はぜったいにありません。そりゃ、千年から数千年たてばもとに戻るかも知れません。だけどそこに住む動物や鳥、虫などはそんなに待てませんもの。今やらなければあとあと大変な事になると報告していました。

新木場 吉田商店


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材木は曲がる反るクサル。生き物だったから。
コピーペーストできない。同じ物がないから。
ダカラ ヲモシロイ。
sankatuuchi
tocyou

 そこで東京都の言う『大自然塾』と言うには話が飛び過ぎますが、趣旨は都民が森林作業、環境学習を通して自然を学び、心身を鍛え、東京の自然と森林を守るということになるようです。

 うがった見方をすれば、山は山林家の手に負えなくなり、かといって都が全ての山に対して管理する程の予算も人手もありません。ボランティアに頼ろうと言う意図が見えてきます。お題目として上記趣旨を言っていますが、はっきり民間に助けて下さいって言えばいいいのに。それは恥ずかしい事でも何でも無いと思うのですが。
 体裁とかはさておき、ボランティアやNPOと都が協力して、少しでも自分達の森を再生し守ろうと言う事に意義を感じました。討論などでも出ましたがボランティアではまったく数がたりません。ただ、まず初めの小さな行動からでも起こさねば、と言う考えが伺えました。
 ほんのちょっとだけですが、山林家が山で食えなくなり、それが山が荒れた原因、というお話がでましたが、基本的に山林家が山を維持しない限り、山は荒れていくと言う事を抜きにして、自分達だけで何とかしようと言うのにはムリがあります。前回の『のうがき』でも言いましたが、そこの所を抜きには考えられません。まぁ、このシンポジウムの、議題からは外れてしまうので、しょうがありませんが、もうちょっと議論があってもよかったのではと思いました。


 あと、残念だったのが、司会(都の職員さん)の話のもって行き方が、都じゃ、お金がないからボランティアに投げちゃえと言う感じがしたのは私だけじゃないみたいです。


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