木の表と裏 --- 2001年8月6日




前回の「柾目、板目」に続いて、今回は板の表と裏を説明します。
まず、どちらが木表で、どちらが木裏かというと。。。
 

 丸太を板目に製材して、外側に近い方が『木表』。丸太の芯に近い方が『木裏』です。言葉で説明すると、たったこれだけの事ですが、材木を使う時にはけっこう重要な事柄です。

 まず、木表の特徴ですが、木裏にくらべ、木目がひき立ち美しいのが特徴です。見附(みつけ:目に付くところ、目立つところ)には、こちらの面を使います。
 そして、木裏ですが、板はどうしても反ります。木裏より木表の方が、当然樹齢が若いので、木の収縮が大きく左図の様に、表の方が縮みます。よって、おちょこの様になってしまいます。このソリを利用して、日本舞踊や、能の舞台は木裏を使用します。理由は、板の中心が膨らむ為、足の裏が板の端にひっかからず、また、滑りも良い為と言われています。また、ソリの関係で看板なども木裏を使う場合があります。

新木場 吉田商店


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材木は曲がる反るクサル。生き物だったから。
コピーペーストできない。同じ物がないから。
ダカラ ヲモシロイ。
uraomote
sori

木表の場合、新しい木目が古い木目の下に入り込むような目あい。木裏はその逆で木目が上に乗るような目あいです

木表

木裏

beihikiomote beihikiura

 柾目は板目とは異なりソリに関しては安定していますが、当然片側だけ湿らせば湿らした方へ反ってきます。以前に失敗した例ですが、自分で机を作った時に真夏の炎天下で片側に塗装をかけて乾かしてる間に、みるみる反って来たのには驚きました。あわてて反対側も塗装をかけたのですがだめでした。同時に両面かけないと。巾の広い板はソリやすいので注意!です。

 ホントにちょっとした気づかいなのですが、高級家具と言われている物は木表と木裏をばらばらには使っていません。作りがしっかりしている上に、見た目がおとなしいので、何十年使っても「あき」がこないのでしょう。イイ仕事とはそう言う所にも表れています。家具選びのひとつのポイントになるかもしれません。


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