新木場 吉田商店


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こだわり --- 2000年8月20日



こだわる。。。ちょっとしたことにとらわれる(国語辞典より)



地挽屋とは:いろいろな地域の原木を需要地で製材し販売するお店。製材業者。主に役物と呼ばれる造作化粧材や建具材を製材。


 流通業者の材木問屋というより地挽屋だからかもしれませんがムクにこだわり丸太を挽いています。
 今年の2月に都心の新築マンションを買ったのですが洋間の造作は、全て塩ビ。床はフローリングですが合板。あとは集成材。なんか接着剤と化学物質の中に住んでいるみたいです。見た目はいいのですが薄っぺらな感じはいなめません。ムクの持つ色やツヤは本物のもつ味で、それは5年位経ってみればよくわかります。せめて集成材でも厚バリの単板を貼ってあればかなり違うのですが。

 自分が製材したものが形になって残る。これはコワイ。笑われたくはありませんから。それが、木曽の桧の天然木の様な高いものであろうと、スプルースの様な広く使われている物であろうと。。。祖父の仕事で、南極の初代昭和基地の内装断熱パネルを木曽桧で製材しました。天然木赤身の無節。以前上野の国立科学博物館に一部展示してありましたが、どうなったのかな。まだあるのでしょうか?

 注文にもよりますが丸太に鋸を入れる時、木の性質を見ながら柾目に挽くか板目に挽くか。「ココの部分は固そうだからまな板用かな。ココは目が詰んでるから建具用」みたいに。丸太と相談しながら用途や歩留まりを考えながら製材してます。
 材木そのものは単なる素材かもしれませんが、それは製材する者、加工する者、そして組み立てる者。それぞれの技術によって出来上がる物が違ってきます。どんなに腕のいい工芸家や大工さんでも私達製材するものの技術がいいかげんではいい物はできません。相手は生き物ですから完璧な物は出来ないにしろ、墨を打ち、柾目ならなるべく木目にそって製材する様な事をしています。丸太から板にするのはだれでも出来ますが、使える板を作ってあげないと木がかわいそうですから。

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材木は曲がる反るクサル。生き物だったから。
コピーペーストできない。同じ物がないから。
ダカラ ヲモシロイ。

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