木材の旬?! キリシン --- 2001年9月23日
 

木材に旬?と言うとあまりピンときませんが、実は木にも旬があるのです。


 地面に生えている木を伐る時期の事ですが、「一般に彼岸から彼岸まで」と言われています。つまり九月の中旬から三月の中旬までです。私は山林家ではないので伝え聞きですが、ちょうど今がその時期になるのでこの話題をちょっとだけ。。。
 ヤマの言葉で、『キリシン』がいいとか悪いとか言います。申し訳ありませんが字がわかりません。あえてあて字をするならば『切旬』だと思います。
 材木の年輪を見てもらえれば解ると思いますが、木目が太い所と細い所があります。太い所が夏目、細い所が冬目です。夏目は春から夏にかけて活発に成長し木目が太くなるのですが、この時期に木を伐ることは良くありません。『キリシン』が悪い時期なのです。活発に成長するが故に水を多く吸い上げ、保とうとするので、製材するとカビがきやすく虫を呼びやすくなります。また乾燥の過程で多くの水を出すので割れやすくなるのです。ですので冒頭の「彼岸から彼岸まで」がちょうど木材の旬と言う事になります。

 では、三月から九月まではどうするかと言えば、「キリシン」の良い時期に伐った木材を寝かせて需給を見ながら出荷します。ですので、良質の木材は8月あたりが端境期となります。

新木場 吉田商店


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のうがき
材木は曲がる反るクサル。生き物だったから。
コピーペーストできない。同じ物がないから。
ダカラ ヲモシロイ。
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『ヤマの仕事(林業)』について。

一年を通して山でどんな仕事をしているかまとめてみます。

 1. 地ごしらえ
 苗木を植える場所の雑草やかん木などを刈り払ったりして、苗木を植え付けやすいよう地面を整理します。主に1,2,3月に行われます。
 2. 植栽
 植え付けです。春に行われます。苗木の根が活動を始める時期で根付かせるのに適しています。ただ、雪の多い地方では秋植えといって十月から十一月にかけて植林するところもあります。
 3. 下草刈り
 植えた苗木は小さく、放っておくと成長の早い雑草やかん木に負けて枯れてしまう事もあります。苗木の成長を邪魔する雑草やかん木を刈り払って苗木の成長を助けてあげます。また、木の幹や樹冠にからみつき、木の形を悪くするクズやフジなどのつるを取り除きます。この作業を年1~2回、苗木が雑草に負けないくらいに育つまで5~8年くらい続けます。六月から八月にかけて行います。
 4. 除伐、枝打ち
 除伐は育成の対象となる木の生育を妨げる木や育つ見込みのない木をきります。
 枝打ちは質の良い木材を生産するために必要な仕事ですが、同時に森林の表土が流れ出して下流の川底を埋めない為に欠かせない作業です。若い樹木は成長が旺盛ですから枝や葉がたくさんついて森林の中に太陽の光線が入らなくなり、雑草などが育たない為に地肌が露出してしまい雨で表土が流されてしまいます。また、立木そのものも太陽光線を十分受けられなくなり線香のようにもろくなり雪や風で折れたり倒れたりしますので、余分な枝を切り落とす事が大切です。九月、十月におこないます。
 5. 間伐
 間伐には「木の生育を助ける為の間伐」と「少しずつ木材を収穫する為の間伐」があります。
 「木の生育を助ける為の間伐」
 植えてから15~20年くらい経つと木と木の間がこみあってきて、木全体に太陽の光が届かなくなり、そのままにしておくと十分な成長が出来なくなります。そこで木の成長を良くする為に細く成長の悪い木や枯れかかっているような木を切って本数を減らします。そうして太く強い木をつくります。
 「少しずつ木材を収穫する為の間伐」
 だんだん太くなってきた木を少しずつ切って、木材として出荷しながら残った木の成長を促します。木の成長に合わせて何回も間伐をくり返すといろいろな太さの木が生産されます。間伐された木が『間伐材』です。季節は九月から四月頃まで行います。
 6. 主伐
 植えてから最低でも40年。やっと大人になった木は木材として収穫されます。切った跡にはまた新しい苗木をうえます。期間はだいたい九月から三月頃まで行います。


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