●太鼓のバチ --- 2008年6月28日
今年は地元木場の八幡様の3年に一度の本祭りです。(過去のお祭りの記事) 地元の町会にはボランティアで場所や道具、先生をお迎えして頂いて、子供たちに江戸囃子のお稽古をつけて頂いく場があります。いつも無償でお世話になっている事もあり、お祭りのお囃子用に新しい太鼓のバチをプレゼントしました。 うちはもともと桧の専門問屋なので素材には事欠かないのですが、バチを作った事など無いのでサンプルとして子供が借りているバチのサイズを測りました。 長さ320mm 直径18mm 素材は桧 木目や木の質を見ると天然木ではなく人工林ネットで検索してみるとどの販売サイトでも物は見た目人工林の様でしたが、せっかくプレゼントするならと木曽桧の天然木の赤身で製作する事にしました。まず製材。柾目が真っすぐ通る様に墨壷で糸を引き、墨付けをして白太を落とすように製材します。ウチが出来るのはここ迄。後は丸棒にする為加工屋さんへお願いします。
新木場 吉田商店
出来上がり!30人分60本あります。
太鼓に当たるバチの先は、真ん丸ではなくて面を取る感じでロクロで丸めてあります。
制作してみて感じた事。天然木のバチは今迄子供達が使っていた物より、びみょーに軽くて柔らかい感じがします。お師匠さんは「大きい太鼓と違い、締め太鼓は力一杯叩く物じゃぁありませんから」とおっしゃりますがどうでしょう?お祭り迄あと一月半。使ってみてのお楽しみです。
この太鼓とカネはお稽古用。もうかなりの年期が入っています。
出来上がったバチを持ってお稽古をつけて下さるお家に持って行きました。子供たち「うわぁ きれい!!!」 「僕どれにしようかなぁ・・・」たくさんあるからより取りみどりだけど、まだダメですよ。お祭りの前にお師匠さんから貰ってね。
お祭りの前には能楽堂で発表会。
8月17日 追記 今日は3年に一度の八幡様の本祭りでした。14日から今日迄、子供達は下ろしたての新しいバチでがんばっていました。 気になっていたバチの重さですが、やっぱりいつも使ってる物より数グラム軽いようで、子供達のお師匠さん若山社中の鈴木先生のお話では二丁掛締太鼓にちょうど合う重さとのお話でした。お祭りで使っていたのは四丁掛締太鼓、その太鼓にはちょっと軽い様でした。目が詰んだ天然木が何にも増して良い物とは限らないと云う事ですね。道具はやっぱり用途にあわせてそれぞれ善し悪しがあると云う事です。次のお祭りは吉野の桧でこしらえてみよう。